Chicago Sun-Times紙が、写真部を全員解雇。
マスコミ業界関係者にとっては、なかなか衝撃的な出来事だろう。

しかも、記者にiPhoneで写真を撮るためのトレーニングを受けさせている、というおまけ付きだから驚きも増す。

新聞社がカメラマンを全員クビにして記者にiPhoneでの写真撮影トレーニングを開始

トップにリンクした記事によれば、すべての記事をiPhoneの写真で埋めているわけでもないようだし、通信社の配信写真を使う場合もあるようなので、すべてが記者の写真だけを使っているわけではないようだ。


日本でも新聞社にも、記事を書く記者の他に写真を専門に撮る写真部のスタッフがいる。
もちろん中小零細や地方紙になるとそうでもないし、大手の全国紙でも地方の支局なんかに来ると、写真部はない。

筆者の知っている地方紙だと、通常の記事には、おおむね記者が撮った写真が使われる。
難しいシチュエーションには写真部のカメラマンを応援に頼んで自分は取材に専念することもあるが、ほとんどが記者の撮影した写真を用いている。
取材が重なって、追いつかない時などには、地元自治体の広報マンと連携して、互いに写真をやり取りすることもある。
まぁ、ないしょだが(笑)


閑話休題。

よほどの大手新聞社でもない限り、記者は写真を撮るトレーニングも受けているし、経験も積むのが普通だ。

筆者も長らく広報担当を経験したが、企画、取材、撮影、紙面作成、すべて一人でやらないといけないのが普通だ。
写真部なんてものはない。
年間数十万ショットを超える撮影をしながら、ほとんど独学で、あらゆる被写体を撮影した。
人物、事件、記者会見、スポーツ、料理、もう何でも撮る。
たぶん撮ったことがないのは、ヌードくらいではないだろうか(笑)

そんなプロフェッショナルでなくても、努力すればそれなりの水準になれる。


しかし、プロでないと撮れない写真があるのも事実だ。
写真雑誌なんかに掲載されるプロの写真は、まるでレベルが違う。
近づこうと努力するが、なかなか到達できるもんじゃない。

写真部の写真でも、とても真似できないと思わされることも確かにある。


だが正直、普段の記事では、プロ以外に撮れないような写真を要求されることは、そう多くない。

ストレートニュースは通信社の配信で、記事と写真を提供してもらうことも可能だ。

記者会見なんかは、重要なのは会見場にいち早く乗り込んで、場所取りをすることくらい。
あとは誰が撮ったって、まぁ同じだ。

ちょっとしたコツさえ分かっていれば、結構どうにかなる。

オールドメディアの代表格として、斜陽産業扱いをされることの多い新聞だが、ニュース記事を自動要約する「ざっくり言うと」系のネットサービスが増えているし、単純なプレスリリースの資料から自動で記事を生成する技術さえも登場してきている。

写真だけにその余波が及ばない、ということはないだろう。

確かにスマホで報道の写真を撮るというのは、かなり無茶があるのは事実だ。
シャッタースピードも絞りも自由にコントロールできない、そんなカメラじゃ撮れる写真に限界があるのは当然だ。
けれども、ちょっとした一眼レフが一つあって、ちょっとした訓練を受ければ、ストレートニュース用の写真は撮れてしまう。

技術の進歩は、画素の高精細化とともに、ISO感度もとんでもなく向上させた。

少々おかしなな画面構成でも、トリミングすればそれなりのレイアウトにできてしまう。
少々暗くても、ストロボ不要でどうにかなってしまう。

少々下手でも、オートモードを使えばどうにか使える写真を撮れてしまうのだ。

もちろん技術の高い職人を否定するものではない。
だが、その技術が必要とされるシーンが、どんどん減っているのも事実だ。

まちの写真屋さんが減り、カメラで生計を立てることが大変になってている昨今、写真好きが目指す職業がまた一つなくなっていくのかもしれない。

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