都市から地方への移住希望者が、年々増加しているといいます。

内閣府の行った東京在住者の今後の移住に関する意向調査によると、次のような結果が出ています。
東京在住者の4割(うち関東圏以外出身者は5割)が地方への移住を検討している又は今後検討したいと考えている。特に 30 代以下の若年層及び 50 代男性の移住に対する意識が高い。

なんと東京在住者の半数近くが、地方への移住を検討しているというのです。
一方で、地方の側は、人口がどんどん都市に流出していく!と悲鳴を上げ、限界集落やを通り越して消滅する集落も多数出てきています。

地方から出て行きたい人たちがいる一方で、地方に行きたい人たちもいる。
なのに、地方はどんどん人口が減っている。

ここに壮大なミスマッチがある、ということがよく分かりますね。


実際に都市から地方に人口が移動しているのか?


そんなに希望者が多いというなら、実際に都市から地方に移動している人はどれだけいるのでしょう?

ニッセイ基礎研究所の東京圏からの人口移動によると、人口シェアと移動先のシェアを比較してみると、面白い結果が見えてきます。


これを見ると、もちろん母数は多いので名古屋や大阪、福岡といった大都市圏が多いのですが、意外にも東日本の一部地域が、人口規模と比較して移動者の数が多くなっているのが、見て取れます。

意外にも大阪、愛知、兵庫、京都といった大都市を抱える府県は人口規模に比べると東京圏からの移動者は少ない。茨城や栃木、群馬といった東京圏近郊の県が、人口規模に比べて東京圏からの転入者を多く獲得しているのはある意味当然だが、少し離れた宮城や新潟、長野でも人口シェアを大きく上回る移動者を受け入れている。 
東日本の道県への移動が多くなるのはある意味で当然のことだろうが、西日本でも福岡や沖縄は人口規模に比べて多くの転入者を獲得しているし、東日本とはいうものの東京からは遠く離れている北海道も人口移動者が人口規模に比べて多い。

茨城や群馬といった東京近郊のエリアよりも、福島県が多い。
ふるさと回帰支援センターの田舎暮らし希望地域ランキングで常時トップ5に入っていますが、実態としては福島県が多く、ランキングで上位の山梨や長野はそれほどでもない。

ここで見えてくるのは、地方移住を希望する人は多いものの、やはり大都市圏が大きなシェアを占めており、移住先の地域も比較的偏りがある、ということです。


経済的には都会が断然有利


では地方から都市への人口移動はなぜ起きるのでしょう?

『「東京」に出る若者たち』は、地方創生問題を考える入門書

↑のエントリでも書きましたが、要するに移動に伴うコストより移動により得られるメリットが大きいから人は都市へ移動するというのです。

※期待効用=(期待賃金(都市)✕就業確率(都市))-(期待賃金(地方)✕就業確率(地方))

都市へ移動することによって、人的資本の向上とともに賃金が上がり、その期待賃金と就業確率の差が、移動に伴うコストと比較して大きければ、人が移動するインセンティブになる、というものです。

詳しくは、↑のエントリかこちらの良書を参照ください。



地方への移住は、自己内利益の追求だ


都市へ移動する人は、経済的利得を得るために移動する、というわかりやすい図式ですが、それではなぜ、経済的に恵まれた都会から地方へ人は移住するんでしょう?

よく言われるのが、地方に自然を求めて~、とか大自然の中で子育てをしたいから~、とかいろいろな事例を挙げられますが、これを客観的に説明している良書があったので、ご紹介です。


本書で、木暮氏が提唱しているのが、自己内利益という概念。

※年収・昇進から得られる満足感-必要経費(肉体的・時間的労力や精神的苦痛)=自己内利益

という式で表されるもので、経済的利得とそれを得るために要するコストの差を言います。

数千万円の年俸で雇われるマネジャー職になっても、寝てる時間以外のすべてを仕事に捧げたりしては、自己内利益は赤字になってしまいます。

目先の高給ではなく、それを得るためのコストを勘案して自己内利益を考えましょう、と木暮氏は呼び掛けています。


地域おこし協力隊が増えている


そんな自己内利益を追求する人が増えてきたので、地方への移住をしやすい環境づくりをしよう、という制度があります

地域おこし協力隊です。


首都圏などの大都市から、過疎地へ移住して地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援や、農林水産業への従事、住民の生活支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取り組みです。


2014年度末の実績で、全国444自治体に1,511人が着任しています。

業務内容は地域によってさまざまですが、基本的には地域に根ざした活動なら、まぁ概ねオッケーという割とゆるい制度です。

そういうゆるさを逆手に取って、役所の臨時職員的な使い方をしている事例もあるらしく、趣旨が異なる使い方もされているのも事実です。

しかしながら、このゆるさをうまく活用して、任期中にうまく自立する仕組みを構築できれば、その後起業するといった選択肢が広がるため、多くの自治体で募集されています。

地域おこしには、「よそもの」、「わかもの」、「ばかもの」が必要だと言われています。
この地域おこし協力隊は、こうした人たちを呼び込んで、何か面白いことをして、地域を活性化しようというのが本来の趣旨です。

私のまちでも、2015年5月31日までを期限に地域おこし協力隊を追加募集中です。

八幡平市地域おこし協力隊の隊員を募集します

先輩隊員たちの活動は、こちらのFacebookページにアップされています。

地域おこし協力隊について、考えているようでしたら、ぜひチェックしてみてください。


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