CNN.co.jp : 中国にあふれる「結婚できない男たち」 社会不安の原因にも - (1/3)
通常の社会では、男女は確率的に同数になっていくものだが、積極的な「生み分け」を行った影響で、男だらけになってしまったというもの。
結婚できない。
これって結構深刻な問題である。
我が国でも、けっこう前からこの問題は指摘されてきた。
やれ、子育て環境が悪いからだの、男の草食化のせいだの、非正規雇用が増えたせいだの、さんざんいろんな議論やら言いがかりレベルに至るまで、幅広い理由が指摘されてきた。
しかし中国で起こりつつあるこの問題は、そのいずれでもない。
そもそも男と女の数のバランスが合わないという決定的な問題がある。
通常の社会では、男女は確率的に同数になっていくものだが、積極的な「生み分け」を行った影響で、男だらけになってしまったというもの。
もとから子どもは男子が好まれるという考え方が支配的なところに、一人っ子政策が重なり、冗談抜きでそんな状況になってしまった。
ちょっと考えれば判りそうなものだが、まさかみんなで組織的に行った結果、そんなことになるなんて、ということが、現実のものになってしまった。
笑い話ならそれで良いのだが、現実に起きてしまったからには笑い事ではすまされない。
こうした問題が社会問題となり、清王朝末期には「捻軍」と呼ばれた武装組織を形成するに至った史実もある。
中央政府は、気が気でないだろう。
始皇帝の時代から、民衆の武装蜂起か地方の軍閥の反乱のいずれかによって国が倒れてきた歴史を繰り返すのが中国の歴史。
民衆の武装蜂起で前の王朝が倒れると、武装蜂起が小規模なうちに制圧するため地方に大きな権力を与える。ところがそうすると地方が軍閥になり中央の言う事を聞かなくなって、逆に倒されてしまう。そうすると次の王朝は中央集権を強める。そうすると今度は民衆の武装蜂起で倒され・・・・・・というエンドレス状態。
まぁ、途中で塞外から異民族がやってくるというパターンも加わるけれど、この流れは清王朝まで基本的に続いているといっても、まぁ、過言ではない。
そんな歴史的事実を抱えるお国柄、この問題には頭を悩ませているだろうが、正直言ってこれは解決策はないだろう。
日本よりも深刻な社会問題として「結婚できない男たち」は中国にこそあふれている。