BREAKING NEWS
latest

728x90

header-ad

468x60

header-ad

消費者の多様すぎるニーズに応えることができるか?


ちょっと前に、こんな ニュースを目にしました。

家電量販、「アマゾン価格」に怒り

まぁ、これまで町の電気屋さんにやってきたことを、こんどは自分たちがやられる番になっただけ。怒っていい立場じゃないでしょ、という話ではある。

【これまでの経緯】
量販店が価格を武器に町の小売店をつぶした→量販店がネット専業ショップに圧迫される(イマココ)



要するに、ショールーミングで困っているということが問題のようだ。

SNS やら価格.comの評判などを元にネットで商品をあらかじめ選定して、店舗で実物を確認して最後の決断をするというのが、流行っているらしい。

筆者は、めんどくさがりなので、そもそもリアル店舗に行くこと自体が少なくなっている。

食料品なんかは、ネットスーパーが近くにないのでやむなくリアル店舗を利用しているが、ネット通販バリバリの利用者だ。おかげで、段ボールがたまって大変です。段ボールゴミの日は少ないので、忘れると溜まりまくってたいへんです。いあやまぁどうでも良いけれど(笑)

問題の一つは、そうした量販店はネットショップも経営しているが、店舗とは別部門、ことによっては別会社が運営しているため、ともかく連携が不十分。

特に在庫管理をばらばらにやっていることもままるようで、経営リソース的にも改善の余地あり。

オムニチャネル・リテイリング

そこで、去年くらいから言われているのが、このキーワード。オムニチャネル・リテイリング。
従来言われてきたマルチチャネルとは違い、単に販売チャネルを増やそうというものではない。マルチは単なる「多角展開」のリテイリングなのに対して、オムニはあくまで「統合していく」リテイリングというもの。

ブルス・リサーチ・アソシエイツのダニエル・ブルス氏によると「接点となるチャネルにかかわらず、一貫性のある体験を顧客に提供できるため、ブランドの確立やブランド体験の統一という効果が期待できる」のが強みだと。

要するに、スマートフォン、タブレット、ウェブ、店舗、SNSなど、それぞれのチャネルを統合して、終始一貫した販売体験を提供することで、「ああ、やっぱり〇〇は他とは違うな」というブランド体験に有機的につなげていくことなのだという。

そもそも、小売はネットと店舗でシステム自体が別管理になっているのが普通だ。

たとえば、カラーバリエーションがたくさん展開されているような商品では、特定の色に人気が集中することはよくある。店舗では欠品だが、ネットには在庫が残っているから、ではそっちから在庫を回すので、お店で決済をしてくれれば送料無料ですよ、といった対応ができない。

ネットでは一定金額以上の購入やプレミアム会員になることで送料無料となるのが一般的だが、無料といっても運送屋さんがボランティアで運んでくれるわけではない。あくまでも店が利益の中から送料を負担しているだけだ。また、カード決済にも数パーセント程度の手数料がかかる。これも店が負担をしているだけ。

実際には見えない販売管理費が上乗せされて、それを考慮して値付けがされている。
この販売管理費は通常は表には見えてこない。なにせ店の内部的な経費なのだから、消費者には見えないのは当たり前だ。

これが視覚化される良い例が、ガソリンスタンドだろう。
薄利が基本のガソリンは、カードではなく現金で決裁するとカード手数料相当程度を値引きをしてくれる。
これって事実上、購入者に手数料分を払ってもらっていると言っても良いでしょう。

他の業態では、現金で買う人もカードで払う人も同じ値段。つまりはカード会社へ支払う手数料は店側の負担、ひいては消費者が負担しているようなものという見方をする向きもあるでしょう。

もちろんカードがあることで、顧客を増やせているという側面もあるので、利益を圧縮してでも店側の負担にするという販売戦略なのだから、別段おかしいことではない。

実店舗でも、大物は購入したら自宅に送ってくれるサービスもある。冷蔵庫など自分で設置できないような品は設置までしてくれるサービスもある。
だか店舗では送料無料ではないのが普通だ。

また、ポイントサービスにおいても、ネットと店舗ではポイント付与率が異なるの例もよくある。店舗の方が販売管理費が高いにも関わらず、付与率が高いのだ。これって不思議な気もするが、その代わりとして店舗には送料無料サービスがない。

こうしたサービス、すなわち購買体験をネットとリアルで統合していくことが、小売の生き残りのカギだろう。

たとえば店舗の購入でも、持って帰るのがめんどうだから家に送ってくれるサービスがあったらどうだろうか。
ネットでしている会員登録の情報があれば、家に送るのは簡単。

現金で決裁したらポイント付与率を高くしたり、値引きするのも良いだろう。

店頭の商品ポップにQRコードを付けて、スマホアプリで読み取るとその場で値引きのキャンペーンコードを発行するのも良いだろう。
さらに一歩進めて、レジ精算を待たずにアプリ上で決裁しても良いかもしれない。スーパーでもセルフレジがこれだけ普及しているのだから、消費者も抵抗は少ないだろう。

顧客体験におけるデジタルとリアルの統合。

オムニチャネル・リテイリングとは、すなわち顧客が利用するすべてのチャネルにおいて、シームレスで一貫性のある顧客体験を提供することだ。
当然それには、すべての経営リソースをつなげるシステムの存在も欠かすことはできない。
すべての戦略を顧客のニーズに応えることに向けて、再構築をしなければならない時期に来ているのだろう。

それがオムニチャネル・リテイリングの本質ではなかろうか。

まぁ、つまるところ、買い物に対する消費者のニーズが多様化しすぎなのだろう。
しかしながら、そうしたニーズにに応えることができない小売は、消費者から見捨てられるだけというのも事実だ。

世知辛い世の中ですな(笑)
« PREV
NEXT »

FOLLOW ME ON INSTAGRAM