なんとも痛ましいお話ですが、この影にはいったいなにがあるのでしょう?
まずは若年層の自殺の実態について調べてみました。
若年層の自殺者は減り続けている
年齢階級別の自殺者数の推移(平成25年版自殺対策白書 - 内閣府)
↑は白書のグラフですが、15~24歳男子の自殺率は昭和30年ごろをピークにして、その後急減。現在では、14歳未満を除けば最低水準です。
この傾向は、女子にも見て取れます。
自殺者全体の中で見ると、「就活自殺」の対象になる年代はむしろ低い。
女子は、年齢が上がると自殺率が高まるという傾向にありますが、男子は働き盛りの30~50代の自殺率が突出して高いという傾向にあり、ここが非常に特徴的です。
もちろんこれは、自殺者数であって、自殺率ではないので、少子化のせいだろう、とも考えられますが、それであれば、団塊の世代とその後の団塊ジュニア世代で2つのピークがないと説明がつきません。
少子化と自殺者数の間には相関関係はない、と考えるのが妥当ですね。
自殺原因は健康問題と経済問題
それでは、なぜ人は自殺するのでしょう?
原因・動機別の自殺者数の推移
白書によると、健康問題が自殺原因の首位。意外ですね。なんとなく経済問題での自殺が多いのかな~、と思っておりましたが、病気など健康問題を苦にした末の自殺が最も多いというのです。
二番手に理由不明があるので実際のところは分かりませんが、書き置きなど明確な意志表示をして自殺した中では、経済問題が続いています。
年代別とのクロス集計をすれば、もう少し違う景色が見えてくるのでしょうが、残念ながらそうしたデータはないようです。
就活自殺は減らせるのか?
もちろん減らすことは可能でしょう。
なにも就職するばかりが人生じゃありません。
誰かに使われる、雇用されることばかりに拘ればこそ、何十社も応募してしまうのでしょう。
学校では、集団の中で生きていく術を中心に教えます。
独立して、自分の手で稼ぐというオプションがあることを教わる機会には恵まれていません。
地元の大学生にヒアリングをしてみた経験がありますが、そもそも「起業」という発想は出てこない、というのです。
どこかに就職する、どこに就職するのか、ということが主です。
大学の進路希望調査のシートにも、民間・官公庁の別であったり、就業先は県内なのか、県外なのかとか、そういうことは書いてあっても、起業、という選択肢は書いてありません。
大学の就職課やキャリア支援課なんてとこに「起業してる学生はどれくらいいますか?」なんて話を聞いてみても、答えは帰ってきません。
そりゃそうですよね。
「その他」でひっくるめちゃって、分からないんですもの。
最近は、小学生のうちから「キャリア教育」なんて名目で、職場体験とかをやってますけど、実際に自分たちで商売をさせてみたら良いんです。
金を稼ぐということをちょっとでもやってみて、小さな成功体験を積み重ねれば、起業に対するハードルみたいなものの抵抗感は薄れるでしょう。
もちろん起業するばかりが答えじゃありませんよ?
会社には従業員が必要ですけど、その会社には社長も必ず必要なんです。
社長がいないと、誰も社員になれません。
就職できなかったら、別の道がある。
ただそれを分かってもらえさえすれば、就職できないくらいで死ぬなんて人はもっと減るんじゃないでしょうか?
皆さんも考えてみてください。
0 件のコメント
コメントを投稿