テレビにも紹介されなることなんてありませんので、コメ農家以外に誰も見ることのない瞬間です。個人的にこのシーンがすごく好きなんです。
これって育苗箱に播種した水稲の苗にかけた保温用のシートを開いた瞬間なんです。
頭に水滴が付いていたり、すごく不思議な表情を見せてくれます。
見たことないですよね~?
はい、これ農家だけの特権です。
水稲の育苗って何さ?
皆さん、なにげなくコメを食べていますが、店頭に並ぶまでに、いろ~んな労働コストがかかっておりますことをご存知でしょうか。
まずは、播種機で種をまき、ビニールハウスで育苗して、田んぼに植えて、除草や病害虫などの管理をして、最終的に稲刈りをします。
さきほどのシーンは、種をまいた後の育苗箱をビニールハウスに広げる前段の姿です。
我が家の方式では、育苗箱をまいた直後にすぐ並べたりしません。
東北は種蒔の時期はまだ寒いので、種が芽が出しやすいよう、保温してあげます。
もちろんこれをそのまま広げる方式もありますが、あくまでも我が家の方式です、念のため(笑)
こんな風に箱を積み重ねます。
一番上のブルーシートを取ると、不織布の保温マットが。
さらに保温マットを剥ぐと、ビニールが。
このビニールは、使い古したビニールハウス用のものです。
穴が開いたり、古くなると保温性が落ちるので、定期的に更新しなくてはなりません。
その都度捨てちゃうのももったいないので、こうして再利用し尽くしてもう使えなくなったら、破棄します。
箱もそのまま地面には置きません。
木製のリンゴ箱を並べて、その上に角材を渡して、地面よりも高くします。
この方があったかいので、生育は良いです。
そして、箱の上に被せられた新聞紙を剥ぐと、さきほどのような光景が見えてきます。
この写真では、土の下に蒔かれた種が、上の土をそのまま持ち上げてるのが分かりますね。
こんなことも起きるので、面白いです。
この育苗箱を、ビニールハウスに並べるわけですが、この並べ方にもコツが。
まず底に、またまた穴が開いたりした使い古しのビニールを敷き詰め、さらにその上に新しいビニールを敷きます。
こうして二重にすることで、保温性を高めるだけでなく、水が漏れるのを防ぎます。
何の水を防ぐかって?
それはこの先で説明をば。
このようにこのように二重に敷き詰めた上に、さきほどの育苗箱をきれいに並べます。
色がまばらになっていますが、これは積み重ねた育苗箱の上の方は温度が高くて生育が良く、底の方は温度が低いので、あまり伸びていないからです。
面白いですね~。
理科の授業で習うとおりなんですよ?
そしてこの並べた箱に水をかけます。
ここで、底にビニールを敷いた意味が出ます。
水をかけることで、このビニールの中をプールにするのです。
そうすれば、かけた水が地面に浸透することなく、その場にとどまるので、水をかける頻度が減りますし、水に囲まれていることで、温度変化も抑制されるというワケです。
この省力化で、すごく育苗は楽になりました。
そして、並べた箱に不織布のマットを被せます。
これ、さきほど積み重ねた育苗箱にかぶせていたものと同じです。
これが伸びてくると、マットをめくればこんな感じの緑になります。
これを、気温を見ながら、マットを剥いだり、水をかけたり、風を入れたりしながら生育環境を調整します。
結構手間なんですよ~?
こんなハウスが、我が家はいっぱいあります。
家の2階からハウスのあるエリアを見下ろしてみました。
何棟あるか数えてみてくださいw
ここに何千と箱が並んでおりますが、我が家はちょいと規模が大きめですので、こんなことやってます。
やってみたい人いますか?
腰がすげぇしんどいですけど(笑)
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