あまり巷で話題になっていない、18歳選挙ですが、選挙を管轄する総務省としては、なんとか話題にしてもらおうと広瀬すずちゃんをキャンペーンモデルにしたり、いろいろ頑張ってるようですが、効果はイマイチでした。
この18歳選挙周知キャンペーンの一環として行われている、総務省の「俺の妹が18歳選挙キャンペーンモデルになるわけがない」が、何やらプチ炎上して、良い感じに広がってます笑
【お知らせ】— 総務省 (@MIC_JAPAN) 2016, 2月 10
総務省と「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」がコラボして、 #18歳選挙 について学べる短編小説を作成しました。全国のシンポジウム・ワークショップなどで配布します。https://t.co/jMrwK0hN00 pic.twitter.com/pMzUsYHJNl
ラノベ原作でアニメ化もされたツンデレ妹と兄の物語で、まぁまぁ面白いです。
原作は読んだことありませんがw
総務省の必死さやキャンペーンの是非はともかく、18歳選挙について、ちょいと考えさせられたので、共有です。
で、なんで18歳選挙なの?
総務省の18歳選挙のサイトでは、こう説明されています。今回,選挙権年齢が満 20 歳以上から,満 18 歳以上に引き下げられました。
これは,皆さんが,様々なメディアを通じ多様な情報に接し,自分の考えを育んできた世代であり,また,少子高齢化の進む日本で未来の日本に生きていく世代であることから,現在,また,未来の日本の在り方を決める政治に関与してもらいたいという意図があるのです。
なお,世界的にみると,18歳までに選挙権が認められている国は全体の約 92%であり,今回の引下げは世界の流れにも沿ったものとも言えます。
めちゃ建前チックですね~笑
ホンネのところは、こっちが理由でしょう。
この悲惨な数字が、対策の必要性を促しているじゃろうなー、というのは分かりますね。
国政選挙・地方選挙を問わず、選挙の投票率は、年代が上がるごとに下がる傾向にあります。
20歳代は、なんと32%。3人に1人しか投票に行っていません。
選挙の重要性を認識してない20歳代は、投票には行きません。
ところが、30歳代になると、概ね10%くらい向上しているのです。
20歳代 | 30歳代 | 投票率変化 | |
---|---|---|---|
S42→S51 | 66% | 77% | +11% |
S51→S61 | 63% | 72% | +9% |
H15→H26 | 35% | 42% | +7% |
昭和42年以降のデータを見てみますと、20歳代の投票率は66%。そのほぼ10年後の昭和51年の30歳代は、77%。いくらかは向上するんですが、この投票率の伸び率が年々低くなってきています。
18歳選挙にすることで、この数字をどうにかしたい。
っていうのが、総務省の事務方のホンネなんじゃないでしょうか。
有権者、すなわち政治の当事者に早くなってもらうことで、政治に対する意識を上げ、投票行動に結びつけてもらいたい。
そんな思いが見え隠れします。
で、うまくいくの?
正直なところ、このままでは難しいでしょう。ことしから解禁になる、ということで去年の後半くらいから高校における有権者教育なるものに力を入れ始めましたが、まぁ、遅いっすよね。
それがゆえの
【お知らせ】— 総務省 (@MIC_JAPAN) 2016, 2月 10
総務省と「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」がコラボして、 #18歳選挙 について学べる短編小説を作成しました。全国のシンポジウム・ワークショップなどで配布します。https://t.co/jMrwK0hN00 pic.twitter.com/pMzUsYHJNl
とかに走っちゃうんでしょうけれど。
なぜ若い世代でこれほどまでに低くなったのか、ということを考えないといかんのです。
さきほどの表を見れば分かりますが、昭和42年と平成26年を比較すると、ほぼ全ての世代で投票率は低下していますが、20歳代の低下率だけが、突出しています。
なにしろ、他の年代は10数パーセントくらいなのに大して、20歳代だけ半減なのです。
完全にひとり負けです。
選挙に行かない理由は忙しいから
東京都の選挙管理委員会の調査によると、↑のような感じになっています。
これって結構深刻ですよね。
参政権、っていう国民の持っている最大の権利の一つを、たかが仕事が忙しいっていう理由で放棄しちゃってます。
さらには、政治や選挙に関心がない、自分が投票しなくても結果に影響がない、なんてのも。
これ、あんまりです。
18歳選挙にしたところで、この傾向はおそらく変わらないでしょう。
むしろ悪化するおそれすらあります。
投票日がセンター試験とかにぶち当たったらどうでしょう?
確実に投票行きませんよ笑
参議院選挙なんて7月です。運動部なら、完全に夏の大会とかにブチ当たります。
1回戦負けとかのチームなら、もう引退してるかもですがw
18歳の投票行動に結びつけてもらうには、相当のバックアップをしないことには、無理ゲーです。
てゆーか、普通にネット投票でいいだろ
ネット選挙解禁!っていう話が2013年に一時ブームになりましたが、あっという間に収束しました。インターネット選挙運動の解禁に関する情報
ネット選挙って言っても、ネット選挙「運動」解禁であって、投票はあくまでも従来通り投票所に行かないとできません。
郵送されてきた選挙の入場券を持参するだけで、リアル投票所では本人確認も何もしてないザル状態なのに、なぜかネット投票には、とんでもなく高レベルのなりすまし対策が必要だからできない!っていう謎の理由で解禁されません。
いまどきのスマートフォンにゃ指紋認証とか付いてるワケですよ?
他人に触られないように、めっちゃセキュリティかけてるのに、なぜか国はやりたがらない。
普通に考えて、若い人や仕事で忙しくて、投票所に行けない!って言ってる人がいるのなら、ネット投票を解禁したらいいじゃんとか思います。
何も全面的にネット投票に移行しろっていうワケじゃありません。リアル投票所と、ネット投票と2つやったらいいじゃん?って思いますよね?普通。
様々なメディアを通じ多様な情報に接し,自分の考えを育んできた世代であり,また,少子高齢化の進む日本で未来の日本に生きていく世代であることから,現在,また,未来の日本の在り方を決める政治に関与してもらいたいという意図があるのです。
様々なメディアに、ネットに触れてきているデジタルネイティブ世代です。その子らに投票してもらいたければ、ネット選挙・ネット投票ですよ。
18歳選挙って言ってるのと、えらい矛盾します。
なんか変ですよね?