前回の起業論シリーズは、天の時を大事にしよう!というお話でした。
孟子に、こういう言葉があります。「天の時は地の利に如かず」と。
今回は、地の利をどのように生かすか?という点について考えてみましょう。天の時よりも大事な、地の利をいかに得るか
今、というタイミングはそのビジネスにとってベストであっても、それを行う場所が悪ければ失敗します。例えば、ニューヨークで大ヒットしている豚肉料理の店があったとして、戒律に反するイスラム圏に持って行っても誰も見向きもしませんよね。南極にかき氷屋を出しても、難しいでしょう。
めちゃくちゃざっくり言うと、これが「地の利」のひとつです。
ではどのように地の利を得たらいいのでしょう。
地の利とは、場所のことだけを指すのではありません。
ビジネスを行う姿勢もまた、地の利なのです。
フレデリック・ランチェスターが提唱した、ランチェスターの法則をご存知でしょうか?
元は軍事理論なのですが、日本では経営論として知られていますね。
この辺↓が分かりやすいですねー。
Kindle版もありますので、オススメ!
このランチェスター戦略において、強者と弱者、タイプごとにそれぞれこのように戦えば勝てる!
という仕組みを説いています。
強者の戦略 | 弱者の戦略 |
---|---|
広域戦 | 接近戦 |
総合戦 | 局地戦 |
確率戦 | 陽動戦 |
例を挙げますと、エリア全体に広域でローラー営業をかけたり、テレビにCMを打ったりして、強者は、マスで顧客を獲得すると有利に勝負できます。
強者は広域でパワープレイを仕掛けて勝ちにいくと有利になりますが、そんな強者に対して勝負を挑む側は、自分の商材に興味を持ってくれている見込み顧客へ直接営業をかけるなど、見込みの高い顧客を人づてに紹介してもらったりすると有利に勝負できたりします。
...といったように、戦い方の選択をするのも、地の利の一つなのです。
強者向けの戦略と、弱者向けの戦略。自分のビジネスに必要な戦略はどちらなのか、これから業を起こす人にとっての答えは自明ですよね。
地の利は割とどこにでもある
ビジネスをするうえで、店や事務所を物理的に出す候補としては、もちろん東京をはじめとした都市部の方が有利な面は確かにあります。ビジネスにおいて、もっとも重要な、顧客=人口が多ければ多いほど有利になるのは当たり前ですもんね。
けれどそれは、都会一択というワケではありません。
どんな場所でも、ビジネスをするうえでの地の利に恵まれているものは必ずあるもんです。
都会には都会なりの、地の利が。
地方には地方なりの、地の利が。
地方には仕事なんてない!なんていいますけど、決してそんなことありません。
都会と同じ文脈で考えるから、見えるものも見えなくなっちゃうだけです。
ただ単に、業態やビジネスの中身に寄って、地の利を得られるとこが違う、っていうだけなんですよね。
高知のド田舎で地の利を活かす、プロブロガーのイケダハヤト氏みたいな例もあります。
高知だからこそ、「まだ東京で消耗してるの?」って煽れるワケですよ。
同じ文章を豊洲のタワマンに住んでる人が書いたって、鼻で笑われるだけっすよねw
これも、地の利です。
地の利を得るにはどうすれば良いのか?
では、地の利を発見するには、どうしたら良いのか。答えは簡単です。
その「地の利」に気付けるかどうか。見付けられるかどうか。それだけです。
「それができたら苦労せんわ!」
ですよね~。それに気付けたら、とっくにみんな起業してますもん笑
気付いてる人がいない、あるいは少ないからこそ、その地の利は生きてきます。
地の利を見つけるためのポイントは、次の3つです。
1.アンテナを高くして、ともかく大量に情報を取り込みまくる
気づきをするためには、やはり前提となる知識であったり、情報がないとムリです。これには、まず何よりも圧倒的な情報量を自分に入れるしか手はありません。
ニュースアプリやTwitterなどのソーシャルメディアに流れてくる情報。そんなものだけでも、十分に膨大な情報を取り込むことができます。
それこそ、シャワーを浴びるように、情報を浴びる。これを日常化することが大事です。
2.自分のアタマで考えて、アウトプットしまくる
そして2番目。ともかく、インプットしたら、それを元にアウトプットすることです。
このアウトプットが重要です。
インプット情報を元に、自分がそれをどう考えるか。考えて、咀嚼して、それにコメントなり意見を述べる。
これを繰り返すことで、情報に対しての感度が高まります。
普通にニュースをただ読むだけじゃなく、読んだ後で、Twitterなり、Facebookなりに自分の考えを投下する。
これには、NewsPicksなんかが便利です。↓に以前書いたまとめがありますので、参考までに。
ニュースアプリの5大巨頭「LINE NEWS」 「Gunosy」 「NewsPicks」 「SmartNews」 「Antenna」を徹底比較してみた
3.漫然とただ眺めるのではなく、注視する
そして、最後の1つ。
景色なり、町並みでもいい。ニュースでもいい。ともかく見るものすべてについて、ただ眺めるのではなく、注意して見るクセを付けることです。これは、2の訓練を積むことで、同時に磨かれる能力です。
自分の目で見た時に得られる「情報の解像度」が上がります。
3つのポイントを磨けば、気づくのはカンタン
まとめると、ともかくこの3つのポイントをしっかりと身につけることです。- アンテナを高くして、ともかく大量に情報を取り込みまくる
- 自分のアタマで考えて、アウトプットしまくる
- 漫然とただ眺めるのではなく、注視する
どれをとっても、地の利だけではなく、ビジネスに必要な勘所を高めるためにも重要な習慣です。
起業するしないに関わらず、これを身に付けたビジネスマンはめちゃ成果を挙げられますからね。
明日から、なんて言ってたら、いつまで経っても前になんか進みません。
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